PMOとは?具体的な業務と必要なスキルを徹底解説! 2020.07.07
PMOは、大規模な開発には必要不可欠な仕事です。
PMの下に付き、PMの代わりにプロジェクト全体の管理やサポートをおこないます。
このページでは、PMOとは何か?という疑問にお答えしています。
PMOに興味のある人は必見の内容です!
PMOとは「プロジェクトマネジメントオフィス」のこと
PMOとは、「Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)」の略称です。
頭文字を取って、PMOと呼ばれています。
PMOの仕事は、企業や組織におけるプロジェクトの支援を全面的におこなうことです。
PM(プロジェクトマネージャー)が統括しているプロジェクトを横断的に支援することが、PMOの仕事なのです。
大規模な開発にはPMOが必要不可欠
現在では、大規模な開発には、PMOが必要不可欠であるといわれています。
PMOは間接部門と呼ばれ、可視化できる利益をまったく生まない部門です。
主にシステムの進捗を管理しています。
しかし、プロジェクトを円滑に進めるという観点から、大規模なプロジェクトにおける必要性が叫ばれています。
PMOはあらゆる業界・産業で活用できるため、外注サービスも出てきています。
大規模な開発には必ず必要とされていることからも、PMOの重要性は年々増しているのです。
PMのパフォーマンスを最大限に引き出すのがPMOの役割
PMのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、PMOが必要です。
PMOは、それまでPM個人の実力に左右されていたプロジェクトのマネジメントを、チームとして支えることができます。
そのため、PMOはPMの負担を軽減することができ、ひいてはプロジェクト全体の強化に直結します。
プロジェクトの成果を最大化できる可能性を作ることができるのは、PMOを導入するべきである理由の一つです。
PMOを導入するメリット
PMOを導入するメリットは、開発現場からの視点と経営側からの視点で大きく違いがあります。
言い換えれば、PMOを導入するメリットは開発現場と経営側の両方にあるのです。
双方の受けるメリットを把握することでPMOに対する理解を深めていきましょう。
開発現場から見るPMOのメリット
開発現場から見るPMOのメリットは、プロジェクトを円滑に進めることができるという点にあります。
PMOを導入することで、プロジェクトの行程が高度になったり、迅速になったりすることが期待できます。
具体的には、以下のとおりです。
- プロジェクト全体の品質の工場
- プロジェクトに必要なリソースの確保
- プロジェクトのスケジュール管理の高度化
- プロジェクト手法の共有
- プロジェクトのコスト管理
- プロジェクトのリスクマネジメント
- プロジェクトスコープ管理の高度化
- プロジェクトのステークホルダー管理
- プロジェクト内のコミュニケーションの促進
経営側から見るPMOのメリット
経営側から見るPMOのメリットは、環境整備のための手間が省けるという点にあります。
従業員が適切な環境で働けるように環境を整備することが経営側の仕事です。
そしてPMOは、その経営側の仕事を軽くしてくれるのです。
具体的には、以下のとおりです。
- プロジェクトマネジメントのための適切な環境整備
- プロジェクトの進捗状況を可視化
- マネジメント人材の安定した育成
- プロジェクトへの経営者支援工数の削減
- プロジェクトの優先順位や経営判断の促進
- マネジメント手法の標準化
PMOを導入するデメリット
PMOを導入するデメリットは、プロジェクトの進捗を管理できるがゆえに、部署間の連携が少なくなるという点にあります。
円滑に進むとコミュニケーションも減少します。
進捗管理に重きを置くからこそ発生するデメリットが多いのです。
進捗だけを意識しすぎると、各プロジェクトは各々の保身に走ります。
そうなると、プロジェクトは成功したとしても、会社全体に活気がなくなるのです。
PMOの役割はプロジェクトを厳しく管理することではなく、会社全体のレベル底上げであるということを頭に入れておきましょう。
PMOの職種
PMOの職種は3つに分類されます。
- PMOアドミニストレーター
- PMOエキスパート
- PMOマネージャー
PMOの中には、役割によってこれら3つの職種があります。
どれも違った業務を担当することになるため、職務内容を知っておきましょう。
PMOアドミニストレーター(PMO事務)
PMOアドミニストレーターは、PMO事務とも呼ばれる職種です。
プロジェクトのマネジメントに関する社内プロセスを円滑にすすめることを目的に、一般的な事務作業を支援します。
PMOアドミニストレーターの仕事は、主に6つです。
- プロジェクトに必要なデータ収集
- 書類作成・管理
- プロジェクト情報の共有・管理
- プロジェクト経費の精算
- プロジェクトメンバーの勤怠管理
- 会議体のコーディネート
PMOアドミニストレーターは、これらの仕事を請け負うことで、PMの負担を軽減します。
PMOアドミニストレーターが事務作業に特化して仕事をすることで、PMがプロジェクトに集中できる環境を整えることができるのです。
PMOエキスパート
PMOエキスパートは、プロジェクトの環境やルールを整備・改善をする職種です。
PMOの中でも幅広い業務を担当するため、一定の経験とスキルが必要とされます。
PMOエキスパートの業務内容は、大きく分けて5つあります。
- 情報分析
- ツール分析
- プロセス分析
- ビジネス分析
- 人材開発
PMOエキスパートは、プロジェクトが円滑に動くための環境を整えることが至上命題です。
そのため、PMOエキスパートにどれだけ優秀な人材を配置できるかで、プロジェクトの出来も変わってくるのです。
PMOマネージャー
PMOマネージャーは、PMO全体を管理する職種です。
PMO全体のマネジメントを担当します。
具体的な職務は以下のとおりです。
- PMOの組織戦略の策定
- PMOメンバーの育成
- PMO予算の管理
- プロジェクトのパフォーマンスの安定化
- プロジェクト環境の整備・維持
- PMOメンバーの勤怠管理
PMOに求められるスキル
PMOに求められるスキルは、主に5つです。
- コミュニケーションスキル
- 開発スキル
- トラブルへの対処スキル
- 文書作成スキル
- IT業界における幅広い知識
PMOになるためには、複合的なスキルを身に着けておく必要があります。
持っているスキルが多ければ多いほど、PMO内でも重要な役割を担うことができます。
そのため、PMOとして活躍するのであれば、これらのスキルを一つでも多く習得し、磨いておくと良いでしょう。
コミュニケーションスキル
PMOには、高いコミュニケーションスキルが求められます。
PMOはプロジェクト全体を俯瞰し、全体の管理や調整を進めます。
また、PMOはPMに付き添ってプロジェクトの会議や打ち合わせに参加することもあります。
そのため、PMOにはコミュニケーションスキルが必須なのです。
顧客とも顔をあわせることが有るため、コミュニケーションスキルと合わせて最低限のビジネスマナーを身に着けておくと良いでしょう。
開発スキル
PMOが直接開発に関わることはないものの、開発スキルを持っていると、PMOにおいても実力を発揮できます。
プロジェクトを円滑に進めるためには、プロジェクト内容に関する知識やスキルを持っていると便利です。
スキルを持っていると、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションも円滑になり、意思決定までのプロセスを短くできます。
そのため、PMOでは開発スキルがあると高い評価を受けることができるのです。
トラブルへの対処スキル
PMOでは、急なトラブルに迅速に対応できるスキルも重宝されます。
システムの開発現場に置いて、何かしらのトラブルはつきものです。
PMOには、仮にトラブルが発生した場合に、迅速かつ適切な判断ができるスキルが求められます。
そのため、事前にあらゆる問題を想定し、対策・準備をできる力も必要とされます。
このスキルはマネジメント力にも直結するため、PMOに限らずぜひ持っておきたいスキルの一つです。
文書作成スキル
文書作成スキルも、PMOに求められるスキルの一つです。
PMOの業務には、文書作成や資料の作成も多くあります。
そのため、迅速かつ適切な文書作成スキルは、PMOには必要不可欠なのです。
文書作成スキルはPMOに限らず活用できるスキルであるため、身につけておいて損はないでしょう。
IT業界における幅広い知識
IT業界における幅広い知識を持つことも、PMOには必要です。
PMOはIT業界のプロジェクトを管理する仕事です。
そのため、仕事に関係する知識は確実に持っておかなくてはいけません。
知識がないことにはPMOとして良い仕事はできないため、常に最新の情報を仕入れる努力が必要なのです。
PMOに求められる資格
PMOとして働くにあたって、確実に必要なスキルはありません。
しかし、プロジェクトマネジメント資格と文書作成に関する資格は、取得しておいて損はないでしょう。
プロジェクトマネジメント資格は、「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」というものがあります。
この資格は世界的にも普及しているため、PMO以外の業務でも武器になります。
また、文書作成に関する資格は「MOS(マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト)」を取得することをおすすめします。
PMOではOffice系のソフトを扱う場合がほとんどです。
そのため、円滑にプロジェクトを進めるためには、Officeのスキル・資格を持っておくと便利です。
こちらも世界的に普及している資格のため、PMOの業務以外でも活用することができます。
PMOに求められる人物像
PMOに求められる人物像は、相手の気持ちに配慮ができる・気配りができる人です。
PMOの仕事は、プロジェクトメンバーやPMとのコミュニケーションありきで成り立っています。
そのため、プロジェクトメンバーやPMが何を考えているのか、何を求めているのかを正確に汲み取れる人が、PMOには向いています。
PMOとして成果を上げるためには、相手の心情を推し量る事ができる人が向いているのです。
PMOは難易度が高い分やりがいも大きい仕事
PMOは仕事の難易度が非常に高いです。
しかし、その分やりがいも大きいのが特徴です。
PMOがいて初めて、大きなプロジェクトは成功に進むことができます。
業務内容は多岐にわたりますが、確実にやりがいを得られるため、大きな達成感を仲間と味わいたい人にはおすすめの仕事です!