サーバーエンジニアとは?仕事内容とサーバー技術者になるための基礎知識 2020.08.03
サーバーエンジニアは、インターネットに必要不可欠な存在である「サーバー」を管理するエンジニアです。
インターネットがある限り、サーバーエンジニアの需要が途絶えることはありません。
このページでは、サーバーエンジニアとは?という疑問に対しての答えを提示しています。
サーバーエンジニアに興味がある人、サーバーエンジニアに関する知識を仕入れたい人は必見の内容です!
サーバーエンジニアはサーバーに関する業務全般をこなすエンジニア職
サーバーエンジニアは、サーバーに関する業務全般をこなすエンジニア職です。
ネットワークエンジニアやインフラエンジニアなどと間違えられやすい職種であることが注意点です。
サーバーエンジニアの仕事はサーバーに特化しており、いわば「サーバーのスペシャリスト」なのです。
インターネットが生活の一翼を担っている今の時代に、インターネットに必要不可欠なサーバーを司るサーバーエンジニアは必須のエンジニア職であるといえます。
サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーエンジニアの仕事内容は、大きく分けて3つです。
- サーバーの設計業務
- サーバーの構築業務
- サーバーの運用・保守業務
サーバーエンジニアの仕事は、サーバーの設計から運用・保守に至るまでの一連の作業です。
そのため、サーバーに関する詳しい知識を持っていないと、サーバーエンジニアとして活躍することは難しいでしょう。
しかし、言い換えれば、サーバーに特化してスキル習得すれば、サーバーエンジニアになることができるのです。
業務を担当する分野が限定的であるということは、サーバーエンジニアという仕事の特徴であるといえます。
ここからは、サーバーエンジニアの仕事内容を3つに分けて解説していきます。
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サーバーの設計業務
サーバーエンジニアの仕事は、サーバーの設計業務から始まります。
サーバーの構築では、サーバーの使用用途やニーズに合わせ、必要なサーバーの性能や台数などを確定します。
このような基本的な設計が終了したら、次は使用するミドルウェアやOSを決めます。
この際に障害の対応なども設計するため、設計時点からのリスクヘッジは必須です。
サーバーが常に稼働できる能力を最小限のコストで実現することが、サーバーエンジニアに求められる業務の一つ、サーバーの設計業務なのです。
サーバーの選定
サーバーの設計業務のなかでも重要なのが、サーバーの選定です。
ひとえにサーバーといっても、サーバーの種類は多岐にわたります。
いくつもあるサーバーの中から、どのサーバーが何代必要になるのかを選定します。
この工程である程度の費用が決まるため、慎重かつ正確におこなう必要があるのです。
サーバーの構築業務
サーバーの設計が終了したら、次はサーバーの構築業務に移ります。
サーバーの構築業務では、事前に設計したサーバーの設計図を元に、実際にサーバーの構築を開始します。
サーバーの構築をするにあたって、OSやミドルウェアをインストールする必要があります。
また、パラメータの設定も、この段階でおこないます。少しのミスで大きな障害が生まれる可能性があるのが、サーバー設計の怖いところです。
そのため、サーバーエンジニアには正確かつ迅速なサーバー構築が求められます。
OSとサーバーの設定
構築するサーバーに合わせて、OSとサーバーの設定をします。
ニーズや仕様によって、最適なOSやサーバーは違います。
そのため、サーバーエンジニアはより多くのOSとサーバーを扱えることが重要なのです。
案件に応じて適切なOSやサーバーをインストールすることも、サーバーエンジニアの仕事の一つです。
配線とラッキング
サーバーの構築が終わったら、構築したサーバーを該当のラックに組み込み、配線します。
極力無駄のない配線を心がけることで、不慮の事故を未然に防ぐことができます。
結果としてサーバーの運用にかかる負担も減ることになるため、ラッキングと配線は丁寧にやる必要があるのです。
サーバーの運用・保守業務
サーバーの運用・保守業務も、サーバーエンジニアの仕事の一つです。
サーバーエンジニアの仕事は、サーバーを構築するだけではありません。
サーバーを構築したあとのメンテナンスなども、そのサーバーを構築したサーバーエンジニアがおこなうのが一般的です。
サーバーは24時間365日稼働し続けるものです。
実際のサーバー監視作業はオペレーターに任せられますが、仮にサーバーに障害が発生した場合に、対応をするのがサーバーエンジニアの仕事です。
また、サーバーが故障した際には、サーバー交換の手配をおこなうなど、業務内容は多岐に渡ります。
サーバーエンジニアの仕事の中でも、業務内容がより幅広いのが、サーバー運用・保守業務の特徴です。サーバー設定の変更
サーバーは、一度構築してしまえば終了ではありません。
構築に使ったOSやサーバーによっては、定期的なアップデートが必要である場合があります。
また、メールサーバーを使用している場合はアドレスの追加をする必要があります。
サーバーの容量が足りなくなった時に増設するのも、構築したサーバーエンジニアの役割です。
サーバー設定は、サーバーエンジニアが定期的に変更しなくてはならないのです。
定期的なバックアップ
24時間365日、完璧に動作し続けるサーバーは存在しません。
そのため、万が一の障害発生時のために、バックアップを定期的に取っておく必要があります。
そしてバックアップを取るのも、サーバーエンジニアの仕事です。
こまめにバックアップをおこない、仮に障害が発生した時にすぐに対応できるようにしておくことも、重要な仕事の一つなのです。
監視・障害対応
構築したサーバーの監視をするのも、サーバーエンジニアの仕事です。
監視と行っても物理的にサーバーを監視し続けるのではありません。
サーバーを監視するためのプログラムを動作させ、プログラムがサーバーの異常を検知した際に、サーバーエンジニアが対応するのが一般的です。
サーバーエンジニアに求められる4つのスキル
サーバーエンジニアに求められるスキルは、主に4つです。
- OSに関する知識・スキル
- データベース言語に関する知識・スキル
- セキュリティに関する知識・スキル
- 正確さを常に意識する心構えと使命感
サーバーエンジニアはサーバーに関する専門家のため、OSやデータベース言語の知識やスキルが必須です。
また、24時間365日稼働し続けるサーバーを創出するための心構えも必要になってきます。
中でもOSとデータベース言語に関する知識・スキルは、高い水準で持っておいて損はありません。
サーバーエンジニアとして活躍したいのであれば、これらのスキルを確実に獲得し、磨いておくことが重要になるでしょう。
サーバーエンジニアに必要なスキルと言語を徹底解説!即戦力になるスキルセットとは?
OSに関する知識・スキル
OSに関する知識とスキルは、サーバーエンジニアが必ず持っておきたいスキルです。
サーバーエンジニアは、サーバー開発をするごとに、その案件に合ったOSをインストールします。
OSは大きく分けて2つに分類されます。
- Windows系OS
- UNIX系OS
サーバーエンジニアはこの2つの選択肢の中から、クライアントの要望に沿ったOSを提案します。
それぞれのメリットとデメリット・特性を知り、適切なOSを素早く提案できるスキルも併せて求められます。
データベース言語に関する知識・スキル
サーバーエンジニアとして活躍するためには、データベース言語に関する知識やスキルも必須です。
データベース言語とは、コンピューターのデータベースを扱うためのプログラミング言語です。
数あるデータベース言語の中でも、サーバーエンジニアがまず習得するべきなのがSQLです。
SQLは関係データベース言語と呼ばれており、世界で最も普及しているデータベース言語とされています。
SQLを使いこなすことができれば、ほとんどのサーバーエンジニアの案件に関わることができます。
そのため、サーバーエンジニアとして働くために、まずは最大のデータベース言語であるSQLを習得することが必要なのです。
セキュリティに関する知識・スキル
サーバーエンジニアには、セキュリティに関する知識とスキルも求められます。
サーバーエンジニアの仕事の一つに、ネットワーク環境下にあるサーバーの保守管理があります。
このような業務をサーバーエンジニアが担当する以上、セキュリティに関する知識やスキルは必要なのです。
昨今、サーバーへの攻撃方法は昔よりも多様化しています。
そのため、仮に被害を受けたとしても、サーバーへの被害を最小限に抑えるためのノウハウも欲しいところです。
サーバーエンジニアの案件では、セキュリティに関するスキルの有無が収入に差を生みます。
そのため、サーバーエンジニアとして高収入を得たいのであれば、セキュリティに関する知識やスキル・ノウハウは必須です。
正確さを常に意識する心構えと使命感
24時間365日稼働するサーバーを構築するための正確さを常に意識する心構えと使命感も、サーバーエンジニアに求められるスキルの一つです。
サーバーエンジニアに対して、サーバーに関する知識やスキルが求められるのは当たり前です。
しかし、心構えに至るまで気を配ることができているサーバーエンジニアの数は多くありません。
絶対的な正確さを追求する姿勢は、クライアントから見ても評価の対象となります。
結果としてその姿勢が良い結果を生み出すことになります。
そのため、サーバーエンジニアにこそ、絶対的な正確さを意識する心構えは今後一層求められるのです。
サーバーエンジニアに求められる5つの資格
サーバーエンジニアに求められる資格は、主に5つです。
- マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)
- マイクロソフト認定ソリューションエキスパート(MCSE)
- Linux技術者認定試験(LPIC)
- Cisco Certified Network Associate(CCNA)
- Cisco Certified Network Professional(CCNP)
サーバーエンジニアは、これらの資格を取得しておくと強いです。
特にMicrosoft社の認定資格であるマイクロソフト認定資格プログラムとマイクロソフト認定ソリューションエキスパートは、サーバーエンジニアに限らず、情報システム関連全般のエンジニアにおすすめの資格です。
取得すればサーバーエンジニア以外のエンジニア職でも武器になる資格のため、優先的に取得することをおすすめします。
ここからは、サーバーエンジニアが取得するべき資格を解説していきます。
サーバーエンジニアが取るべき資格を徹底解説!難易度はどれくらい?
マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)
マイクロソフト認定資格プログラム(MCP)とは、Microsoft社製品に関する実践的なスキルや専門的な知識を証明する資格です。
- システムエンジニア
- システムインテグレータ
- コンサルタント
- プログラマー
- トレーナー
など、様々な職種に人気の資格で、もちろんサーバーエンジニアにも役に立ちます。
日本だけではなく世界中で使用できる資格であることに加え、サーバーエンジニアとしての自分のスキルを高い基準で証明することができます。
難易度は低く有りませんが、MCPを取得すれば即戦力として見てもらえるくらいの効力を持っています。
そのため、データベースエンジニアとして少しでもキャリアアップをしたいのであれば、マイクロソフト認定資格プログラムを取得することをおすすめします。
マイクロソフト認定ソリューションエキスパート(MCSE)
マイクロソフト認定ソリューションエキスパート(MCSE)とは、マイクロソフト認定エンジニアとも呼ばれており、Microsoft社が認定するMCPプログラムの一つです。
システムエンジニアにとって最上位の資格であるため、サーバーエンジニアに限らず、幅広いエンジニア職が取得を目指すべきものです。
最上位の資格ということもあり、取得は簡単ではありません。
- インフラストラクチャの設計
- サーバーの設計から保守
- システム構築プロセス全般
などの業務経験が求められます。
そのため、MCSEは、サーバーエンジニア未経験者が取得できる資格ではないことがわかります。
サーバーエンジニアとしてある程度の経験を積んだら、取得に向けた勉強を始めることをおすすめします。
Linux技術者認定試験(LPIC)
Linux技術者認定試験(LPIC)とは、企業の基幹サーバーやWebサーバーとして急速に成長してきたOSです。
中立的な資格として、Linuxに関する知識やスキルを証明することができます。
Linuxの成長を考えてみても、Linux技術者認定試験の需要が高まることが予想されます。
そのため、OSを使うサーバーエンジニアは是非取得しておきたい資格であるといえます。
世界的に通用する資格であるため、取得しておいて損はないでしょう。
Cisco Certified Network Associate(CCNA)
Cisco Certified Network Associate(CCNA)は、Cisco社公認の、Cisco製品を扱うスキルや知識を証明する資格です。
ネットワークの導入から、トラブルが発生した際の対応などに至るまで、Cisco製品に関する全般的なスキルを証明することができます。
知名度が非常に高い資格のため、サーバーエンジニアだけではなく、他のエンジニア職への転職にも利用することができます。
サーバーエンジニアとしても持っておくと武器になる資格のため、時間を見つけて取得を目指すことをおすすめします。
Cisco Certified Network Professional(CCNP)
Cisco Certified Network Professional(CCNP)は、Cisco Certified Network Associate(CCNA)の上位互換の資格です。
資格を取得することによって証明できるスキルはCCNAと大きく変わりません。
しかし、CCNPを取得しておくと、
- サーバーエンジニア
- ネットワークエンジニア
- システムエンジニア
- サポートエンジニア
- ネットワーク技術者
としてのスキルを証明することができます。
CCNAよりもエンジニアとしてのスキルを証明しやすいため、サーバーエンジニアとしてある程度の経験を積んだら取得に挑戦することをおすすめします。
サーバーエンジニアの平均年収は約465万円
サーバーエンジニアの平均年収は、約465万円前後とされています。
他のエンジニア職と比較してみても465万円は平均的な数字です。
サーバーエンジニアの年収の特徴は、年齢を重ねるごとに年収もアップすることに加え、実力次第でも年収アップが狙える点にあります。
平均年収は10年上がるごとに100万円程度アップをしています。
この年功の収入アップに加え、スキルによる年収アップも見込むことができます。
専門的な資格やサーバーエンジニアとしての経験や実績を積み重ねることで、年収もどんどん上がります。
最終的には高給取りを目指すことも夢じゃないため、サーバーエンジニアとして成功するためには、日々のスキルアップを怠らないことが重要なのです。
サーバーエンジニアになるにはスキルアップが必須
サーバーエンジニアになるには、やはりスキルアップが最重要の課題となります。
スキルや実績がないと、サーバーエンジニアとして仕事を任せてもらうことはできません。
そのため、未経験者はまずサーバーエンジニアに必要な知識を勉強し、アピールできる資格を取得することが必要です。
一度サーバーエンジニアとしての仕事をもらうことができたら、その後は参画した案件を確実にこなしましょう。
仕事の質もアピールポイントにできるため、成功できるサーバーエンジニアになるには、目の前の仕事を確実に、クオリティを高く、仕上げることが必要なのです。
サーバーエンジニアになるには、スキルアップが必要不可欠であるということを頭に入れておきましょう。
サーバーエンジニアに向いている人・性格
サーバーエンジニアに向いている人は、以下の性格の持ち主です。
- 新しい技術や機器に対する好奇心が旺盛
- トラブルに対して冷静かつ迅速に対応できる適応力と責任感
- 絶対的な正確さを誇るサーバーを構築する使命感
このような性格・考え方を持っている人は、サーバーエンジニアに向いています。
サーバーエンジニアの仕事はインターネットの中に収まりません。
ときには、機械をいじることもあります。
そのため、様々な新しいことに対して、積極的に慣れる人がサーバーエンジニアに向いているといえます。
常に最善を尽くすことは、サーバーエンジニアに求められる心構えのひとつです。
サーバーエンジニアのキャリアパスは2つ
サーバーエンジニアのキャリアパスは、2つに分類されます。
サーバーエンジニアとして専門分野を極めたスペシャリストになるのか、サーバーエンジニアの経験を生かして管理職になり、チームリーダーとしてプロジェクトを運営するかです。
どちらのキャリアパスを選ぶとしても、IT関連の幅広いスキルや知識、資格は必要です。
より良いキャリアパスを歩むためには、日々の努力が必要不可欠なのです。
サーバーエンジニアの将来性は明るい
サーバーエンジニアの将来性は、明るいといえるでしょう。
しかし、スキルアップをしないことには、明るい将来を望むことはできません。
インターネットを使ったビジネスに必要不可欠なサーバーを管理するサーバーエンジニアの需要は今後増えることはあってもなくなることはありません。
その中で活躍できるサーバーエンジニアになるためには、やはりスキルアップや日々の勉強が重要なのです。
サーバーエンジニアの将来性は明るいといえます。
しかし、スキルアップをしないことには、その将来も手から離れていくことを頭に入れておきましょう。
サーバーエンジニアの需要は多様化する
今後、サーバーエンジニアの需要は多様化することが予想されます。
サーバーの用途も多様化するため、今よりも幅広い知識やスキルを求められる可能性もあります。
そのため、サーバーエンジニアとして活躍し続けるためには、日々の努力を怠らないことが重要です。
そしてサーバーエンジニアとして培ったスキルは、他のエンジニア職でも武器になります。
そのため、柔軟性を持って新しいスキルを吸収していくことこそが、サーバーエンジニアとして成功する秘訣なのです。
サーバーエンジニアとして働こう
サーバーエンジニアは、サーバーに関するスペシャリストである反面、幅広い知識を求められる職種です。
柔軟性が必要な職種ですが、その分やりがいも大きいのが特徴です。
日々スキルアップを怠らなければ、高収入を狙うこともできます。
将来性も明るいため、サーバーエンジニアに挑戦するには最適の時期かもしれません。
キャリアの一環として、サーバーエンジニアとして働くことを考えてみてはいかがでしょうか?
魅力的なサーバーエンジニアになり、クライアントにとってなくてはならない存在になりましょう!