テストエンジニアとは?仕事内容と向いてる人を徹底解説! 2020.08.24
テストエンジニアは、開発した製品の品質を保証するエンジニアです。
構築したシステムなどに異常がないかなどのテストをおこない、改善の提案をします。
このページでは、テストエンジニアとはなにかという疑問に徹底的にお答えしています。
テストエンジニアに興味がある人は必見の内容です!
テストエンジニアとは開発した製品の品質を担保するエンジニア
テストエンジニアとは、開発した製品の品質を担保するエンジニアのことです。
開発したシステムやIT製品などが正常に動作するかをテストし、品質を担保した状態で世の中に送り出します。
設計ミスなどがあれば、開発部門に改善案を提案するなど、幅広いスキルが必要なのが特徴です。
製品の質を向上させるための重要な役割を担うため、やりがいも大きいエンジニア職であるといえるでしょう。
テスターとの違いは仕事内容の範囲
テストエンジニアとテスターは、仕事の範囲が違うため、呼び方も変わります。
テスターはテストのみをおこなうのに対し、テストエンジニアはテストの設計やその前の分析などをおこなうため、テスターとテストエンジニアの違いは業務範囲の違いであるといえるでしょう。
テストエンジニアの仕事内容
テストエンジニアの仕事内容は主に5つです。
- システムの分析、テストの計画
- テストの設計
- テストの実施
- テスト結果の確認、結果を文書化
- 開発部門に品質改善の提案
テストエンジニアは、開発された製品のテストをおこなうために必要な業務全般を担当するエンジニアです。
そのため、テストの計画から実施、品質改善の提案までの一連の流れを担当します。
これらの仕事を一つ一つこなすことで、その製品の品質はテストエンジニアによって保証されるのです。
システムの分析、テストの計画
テストエンジニアの最初の仕事は、システムの分析とテストの計画です。
構築されたシステムに対して、設計したテストケースを実行するための準備を行います。
テストにはいくつかの種類があるため、どのテストが最適かを検討することもテストエンジニアの仕事です。
テストエンジニアが検討するべきテスト内容は以下のとおりです。
- 単体テスト:関数などの小さな単位をテストする
- 結合テスト:プログラムを組み合わせたときに正常に動作するかをテストする
- システムテスト:完成したシステム全体をテストする
テストにはこれらの種類があり、やるべきことや規模もそれぞれ違います。
分析したテストの内容に合わせて、適切な計画を練ることが重要なのです。
テストの設計
システムの分析とテストの計画が終了したら、実施するテストの設計に移ります。
どのようなテストが必要で、どのテスト技法を用いるべきなのかを検討します。
テストの設計では、主に以下の項目を策定していきます。
- テストの目的
- テストの範囲
- テストの期待値
- テストの実施期間
- テストの優先順位
- 人員配置
このように、テストエンジニアはテストの内容だけでなく、テストをする環境も策定する必要があります。
そのため、より多角的かつ客観的に物事を捉えることができる人におすすめです。
テストの実施
テストの設計が終了したら、いよいよテストの実施です。
設計したテスト計画に合わせて、システムのテストを進めていきます。
テストは自動化することもあるため、このポイントでの仕事はそう多くありません。
テストの内容によっては人員を増やすこともあるため、アルバイトなどの採用をおこなうこともあります。
テスト結果の確認、結果を文書化
テストの結果が出たら、結果を確認し、文書化します。
作成したテスト結果の文書は、レビュー用資料として開発者や上層部に提出されます。
開発者や上層部が結果を確認し、追加要望があった場合には、要望に沿ってテストをする必要があります。
開発部門に品質改善の提案
テストのレビューが終了したら、開発部門に品質改善の提案をおこないます。
具体的にシステムのどこにバグがあったのかなどを共有し、改善のための提案をしなければなりません。
そのため、テストエンジニアに求められるスキルはテストの技術だけではありません。
システムの欠陥を発見し、改善策の提案ができるレベルのスキルも必要とされます。
幅広いスキルが求められることも、テストエンジニアの特徴であるといえます。
テストエンジニアに求められるスキル
テストエンジニアに求められるスキルは、主に7つです。
- テスト技法のスキル
- 問題提案スキル
- 集中力
- 文書作成スキル
- ソフトウェア開発のスキル
- 品質管理に関する理解
- テスト自動化のスキル
テストエンジニアには、幅広いスキルが求められます。
テスト技法のスキルはもちろんのこと、集中力や文書作成スキルなども必要です。
そのため、テストエンジニアを目指すのであれば、これらのスキルを一つでも多く持っておくことが重要なのです
テスト技法のスキル
テストエンジニアとして働くのであれば、テスト技法のスキルは必ず必要です。
前述したとおり、一口にテストといっても複数の種類のテストがあります。
また、テストを実施するにあたって必要なスキルはもちろんのこと、設計に関するスキルも求められます。
- デシジョンテーブルテスト
- 状態遷移テスト
これらのテスト設計スキルは、テストエンジニアとして確実に持っておきたいスキルなのです。
問題提案スキル
問題提案スキルも、テストエンジニアが持っておくべきスキルの一つです。
テスト環境に関する問題や作業の課題を素早く見抜き、すぐに提案できる問題提案スキルは、テストエンジニアであれば必携のスキルです。
集中力
細かい作業を多くこなす集中力も、テストエンジニアに求められるスキルの一つです。
テストエンジニアは、場合によっては長時間細かいテストを繰り返すこともあります。
そのため継続して発揮し続けられる集中力も重要なのです。
集中力が続かないと、テストエンジニアの仕事は務まらないと考えたほうが良いでしょう。
文書作成スキル
文書作成スキルも、テストエンジニアに求められるスキルの一つです。
文書作成スキルは、主にレビュー用資料の作成時に活用します。
完結でわかりやすい文書を作成するためには、高い文書作成スキルが必要不可欠です。
そのため、文書作成スキルはテストエンジニアが確実に持っておきたいスキルの一つなのです。
ソフトウェア開発のスキル
ソフトウェア開発のスキルも、テストエンジニアには必要なスキルです。
テストエンジニアは、ただテスト技法のスキルがあれば良いというわけではありません。
テストをしたあとの改善策を提案できる、ある程度のソフトウェア開発のスキルも必携なのです。
品質管理に関する理解
テストエンジニアには、品質管理に関する理解も、スキルとして求められます。
テストエンジニアには、「当たり前品質」というものが求められることが多いです。
当たり前品質とは、顧客が求めている基本的な性能を確実に担保するという考え方・品質です。
当たり前品質のワンランク上が、「魅力的品質」です。
顧客の評価に影響を与えられる品質のことを指します。
これらの品質段階を理解し、高品質かつ丁寧なテストをすることが求められます。
テスト自動化のスキル
テスト自動化のスキルも、テストエンジニアに求められるスキルの一つです。
テストエンジニアは、しばしばテストを自動化します。
テストの自動化はテストの効率化にも直結するため、開発の工期短縮やコスト削減、品質の改善に効果的とされています。
代表的な自動化ツールとしては、
- Selenium
- Appium
- Ranorex
などが挙げられます。
これらのツールを理解し、使いこなすことで、テストエンジニアとしてのキャリアアップを目指せることは間違いないでしょう。
テストエンジニアに求められる資格
テストエンジニアに求められる資格は、以下の通りです。
- JSTQB認定テスト技術者資格
- IT検証技術者認定試験
- ソフトウェア品質技術者資格認定
これらの資格を一つでも多く取得しておくことで、テストエンジニアとしてのキャリアアップを狙うことができます。
資格は手っ取り早くスキルアップができるため、是非挑戦することをおすすめします。
JSTQB認定テスト技術者資格
JSTQB認定テスト技術者資格とは、世界的に認められているテストエンジニア向けの認定資格です。
- Foundation Level
- Advanced Levelテストマネージャ
- Advanced Level テストアナリスト
の3段階に分かれており、習熟度や内容によって変わります。
テストエンジニアとして活躍するのであれば、確実にとっておくべき資格であるといえるでしょう。
Foundation Level
Foundation Levelとは、ソフトウェアテストに関する基本的な理解を証明する資格です。
比較的難易度が低いため、JSTQB認定テスト技術者資格の入門編のような位置づけとなっています。
合格率は高いときで70%ほどになるため、駆け出しのテストエンジニアはまずFoundation Levelの試験に挑戦することをおすすめします。
Advanced Levelテストマネージャ
Advanced Levelテストマネージャは、ソフトウェアの上級テストエンジニア向けの試験です。
- テスト設計
- テストマネジメント
- テスト自動化
- テスト結果のレビュー
などのスキルを証明できます。
合格率は高くて25%程度と、難易度は低くありません。
しかし、テストエンジニアとしてある程度経験を積んでいるのであれば、是非挑戦したい試験の一つです。
Advanced Level テストアナリスト
Advanced Levelテストアナリストも、Advanced Levelテストマネージャ同様、難易度の高いテストエンジニア向け資格です。
Advanced Levelテストアナリストの試験では、テスト分析に関する幅広い知識が求められます。
難易度はAdvanced Levelテストマネージャ同様低くはないため、ある程度の経験を積んだテストエンジニアが挑戦するべき資格であるといえるでしょう。
IT検証技術者認定試験
IT技術者認定試験は、IT検証産業協会が認定している、テストエンジニア向けの資格です。
知識よりも実務を重視しているため、合格すればテストエンジニアの即戦力として働くことができます。
レベルは習熟度別に7段階に分けられており、現在はレベル5までが提供されています。
レベル7は研究者レベル、レベル1はテスターレベルとされているため、テストエンジニアとしての自分のスキルの現在位置を知ることができます。
日本のIT業界においての知名度が非常に高い資格であるため、日本でテストエンジニアとして働きたいのであれば確実に習得しておきたい資格の一つです。
ソフトウェア品質技術者資格認定
ソフトウェア品質技術者資格認定は、一般財団法人日本科学技術連盟が主催している、テストエンジニア向けの資格です。
初級から中級、上級までの3段階にレベル分けされています。
ソフトウェア品質技術者資格認定を取得すれば、ソフトウェアの品質に関するスキルを証明することができます。
ひいてはテストエンジニアとしての力量を証明するものになるため、テストエンジニアとしてスキルアップを目指したいのであれば持っておきたい資格です。
テストエンジニアの平均年収は450万円前後
テストエンジニアの平均年収は、約450万円前後とされています。
テストエンジニアは比較的挑戦しやすい職種のため、実力がないと高収入を望むことはできません。
持っているスキルや経験が多ければ多いほど、年収も上がります。
また、テストが重要な役割を占める業界においては、テストエンジニアの年収が高くなることもあります。
需要と供給をしっかりと見極めることが、テストエンジニアの年収アップに必要な要素なのです。
海外のテストエンジニアの年収は高くなる可能性がある
海外でテストエンジニアとして働くとなると、日本にいるときよりも高収入を狙うことができます。
現在、海外では、テストエンジニアの重要性が年々増してきています。
また、日本のような年功序列がないため、スキルさえあればのし上がっていける世の中です。
そのため、実力さえあれば、海外でテストエンジニアの仕事をしたほうが稼げることがあるのです。
テストエンジニアとして今後頑張っていきたい人は、海外進出という選択肢も視野に入れておくことをおすすめします。
テストエンジニアに向いているのは要領が良い人
テストエンジニアに向いている人は、要領の良い人です。
テストエンジニアは、できるだけ短い時間で、確実にテストをすることが求められます。
そのため、ある程度要領が良くないとテストエンジニアには向かないのです。
効率性が強く求められるテストエンジニアという仕事において、要領の良さは必ず求められる性格の一つであるといえます。
テストエンジニアのやりがいは第三者として開発に関われること
テストエンジニアのやりがいは、第三者として開発に関わることができるという点です。
テストエンジニアには、第三者目線でのテストや改善が求められます。
そして第三者の目線というものは、システムの開発において必要不可欠な要素なのです。
自分の意見や仕事が開発に大きな影響を与えるという点で考えれば、テストエンジニアの仕事の責任は重大です。
そしてその責任感こそが、テストエンジニアのやりがいでもあるのです。
テストエンジニアのキャリアパスは多種多様
テストエンジニアのキャリアパスはさまざまです。
テストエンジニアとしてスペシャリストになるのか、プロジェクトリーダーなどのジェネラリストになるのかで進む道は変わってきます。
以下に、テストエンジニアのキャリアパスの一部を紹介します。
- スペシャリストになる
- ジェネラリストになり、マネジメントのポジションにつく
- 品質コンサルタントになる
- /
- セキュリティ系の職種につく
- テスト自動化エンジニアになる
- ドメインスペシャリストになる
- テストマネージャになる
これらのキャリアパスの他にも、さまざまなキャリアパスが用意されているのが、テストエンジニアの特徴であり、魅力です。
テストエンジニアのスキルと経験は他のエンジニア職でも通用します。
そのため、キャリアの一つとしてテストエンジニアになるのも悪くないでしょう。
テストエンジニアの将来性と需要は変わっていく
AIの進化によって、テストエンジニアの需要は大きく変わり、将来性にも影響を与えることになります。
年々進化を続けるAIにより、テストエンジニアの仕事の一部がAIに台頭されつつあります。
それに伴い、テストエンジニアの需要にも変化が現れているのです。
そのため、AIでは実現しにくい領域に関するスキルを身につけることが重要になってきます。
今後さらに影響力を発揮するであろうAIの存在に対抗するためには、AIの苦手分野を攻めていく必要があるのです。
そのため、近年はテストエンジニアのスペシャリストではなく、テストマネージャやテストリーダー、テストアナリストなどのジェネラリストになるテストエンジニアが増えてきています。
テストエンジニアの将来性は、選択するキャリアパスによって大きな変化を見せるでしょう。
テストエンジニアは未経験でも挑戦しやすいエンジニア職
テストエンジニアは未経験でも挑戦しやすいエンジニア職の一つです。
しかし、ある程度のスキルを身につけないことには、テストエンジニアになることはできません。
そのため、テストエンジニアに求められるスキルを一つでも習得し、テストエンジニアに挑戦するようにしましょう。
一度案件に参画してしまえば、その後はひたすら経験を積むだけです。
テストエンジニアは未経験でも挑戦しやすいため、エンジニアとしての登竜門におすすめです。
テストエンジニアのフリーランス案件は多い
テストエンジニアのフリーランス案件は多いです。
テストエンジニアは、フリーランスの占める割合が大きいエンジニア職でもあります。
単価も高めに設定されているため、フリーランスにとっては是非参画したい案件の一つです。
フリーランスでも活躍できるという点を考えても、テストエンジニアというエンジニア職は魅力的であるといえるでしょう。
魅力的なテストエンジニアを目指そう
テストエンジニアは、システム開発になくてはならないエンジニア職です。
テストエンジニアの腕前によって、その開発の質は大きく左右されます。
魅力的なテストエンジニアになるためには、数多くの経験とスキルを持つことが一番です。
少しでも早く挑戦し、魅力的なテストエンジニアを目指しましょう!